【問題456】下垂体腫瘍が発生した時に生じやすい障害はどれか。
1.両鼻側半盲
2.両耳側半盲
3.右側空間失認
4.左側空間失認
視神経の交叉に関する問題です。視神経は、左右の目の同側から入ってきた情報を同側の脳の視覚野に送るため、網膜の鼻部(内側)から出た視神経は全て視交叉部で交叉しますが、網膜の耳側(外側)から出た視神経は交叉しません。
視神経交叉部は脳下垂体のすぐ近くにあるので、下垂体腫瘍等で視神経交叉部が圧迫され障害されると、両耳側半盲が起こります。
正解 2
解説 選択肢1
× 鼻部の視神経は交叉しないので、両鼻側半盲は起こりません。
解説 選択肢2
○ 正しい。 両耳側半盲が起こります。
解説 選択肢3、4
× 空間失認とは空間の認知障害をさします。主に大脳の病変によって生じ、病変部の反対側の刺激に反応できないものをいいます。
典型的な症状として、食事のときに病側と反対側の皿に気が付かず食事を残す、などがあります。本問題は、視神経の障害に関する問題(半盲)であり、失認とは異なります。